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ノートe13テレビキャンセラーでプロパイロットが誤作動?

日産ノートe13、e-POWERの走りとプロパイロットの快適性、本当にいい車ですよね。
私もコンパクトカー好きとして、E13の進化にはいつも注目しています。

ただ、せっかくの大型ナビなのに「走行中にテレビが見られない」「ナビ操作ができない」という点で、同乗者から不満が出る…というのは、オーナーさん共通の悩みかもしれません。

そこで「テレビキャンセラー」の取り付けを考えるわけですが、ここで大きな問題にぶつかります。

「日産ノートe13にテレビキャンセラーを付けたら、プロパイロットが使えなくなるんじゃないか?」「警告灯がついたり、誤作動したらどうしよう…」

ネットで調べると、データシステム社のNTV427やNTV423といった製品情報から、enlarge corpというメーカーの「対応品」まで出てきますが、情報が錯綜していて、どれが本当か分かりにくいですよね。
デメリットやディーラー保証、OBD車検への影響、GPSの自車位置ズレなど、不安は尽きません。

この記事では、ノートe13のプロパイロット搭載車にテレビキャンセラーを取り付けることについて、私なりに調べた技術的な側面と、考えられるリスクをまとめてみました。

この記事のポイント
  • プロパイロットが干渉する技術的な仕組み
  • 「ナビ操作OK」タイプが特に危険な理由
  • データシステム製品と他社製品の違い
  • 保証や車検など、安全以外の重大なデメリット
目次

日産ノートe13のテレビキャンセラーとプロパイロットの干渉

まず、なぜノートe13でテレビキャンセラーとプロパイロットの相性がこれほど問題視されるのか。
その技術的な「仕組み」の部分を、私なりに整理してみました。どうやら「車速信号」というキーワードが鍵になるようです。

プロパイロットが使えなくなる?

結論から言うと「その可能性は非常に高い」というのが私の見解です。

特に「走行中のナビ操作も可能にする」タイプのキャンセラーで、この不具合報告が多いみたいですね。

プロパイロットは、車が「今、時速何キロで走っているか」という情報を命綱にしています。
キャンセラーがこの情報を誤魔化そうとすると、プロパイロット側が「データがおかしい!」と判断し、安全のために機能を停止(シャットダウン)してしまうようです。

「使えなくなる」のは、故障ではなく、車が危険を回避するための「フェイルセーフ」機能が作動している結果、ということみたいですね。

警告灯と誤作動の技術的理由

警告灯と誤作動の技術的理由
Compact Car Life イメージ

プロパイロットが機能を停止する際、メーター内に「システム異常」や「プロパイロット機能が利用できません」といった警告灯やメッセージが表示されるケースが多いようです。

これは、先ほど触れた「データのおかしさ」を車が検知した証拠ですね。

最悪のシナリオは、機能停止(シャットダウン)ではなく「誤作動」です。例えば、車は時速80kmで走っているのに、キャンセラーの影響でシステムが一瞬「時速0km」と誤認したら…想像するだけでも怖いですよね。

「誤作動の可能性がある」と明記している製品もあるくらいなので、これは単なる脅しではなく、技術的に起こり得るリスクなんだと理解しました。

車速信号とCANバスの仕組み

車速信号とCANバスの仕組み
Compact Car Life イメージ

ここは少し技術的な話になりますが、私も興味があって調べてみました。

現代の車って「CAN(キャン)バス」という車内ネットワークで、色々な装置(ECU)が情報を共有してるんですよね。

「車速信号」(今何キロか)というデータも、このCANバスを通じて、ナビやプロパイロット、e-POWERの制御ユニットなどに送られています。

テレビキャンセラーは、ナビに「車は止まってますよ(車速0kmだよ)」と嘘の情報を送る装置です。

問題は、この「嘘の情報」がCANバス全体に流れてしまう(あるいは、ナビだけが嘘をつくことで、他の装置との間でデータの矛盾が生じる)ことにあるようです。

データの矛盾(例)

  • タイヤのセンサー:「時速80km」と発信
  • キャンセラー:「時速0km」と発信(またはナビに誤認させる)
  • プロパイロットECU:「どっちが本当!? パニック!」→ 機能停止

こんな感じで、システム全体が混乱してしまうのが、不具合の根本的な原因みたいですね。

ナビ操作対応タイプは危険

ナビ操作対応タイプは危険
Compact Car Life イメージ

ここで重要なのが、テレビキャンセラーの「タイプ」です。

市場には大きく分けて2種類あるようです。

  1. 走行中のTV視聴のみ可能にするタイプ
  2. 走行中のTV視聴+ナビ操作も可能にするタイプ

特に危険性が高いと指摘されているのが、2の「ナビ操作対応」タイプです。

なぜなら、「ナビ操作」を可能にするためには、ナビユニットに「車速信号」を完全にカットするか、「0km」に偽装する必要があるからです。

これがまさに、先ほど説明したCANバスのデータ不整合を「意図的に」引き起こす行為なんですよね。

だから、「ナビ操作対応」を謳う製品は、プロパイロットの機能不全を覚悟(というか、セット)で装着するもの、と考えた方が良さそうです。

データシステムNTV427とNTV423

この問題でよく名前が挙がるのが、データシステム社の製品ですね。
私も気になって調べてみました。

製品名 (例)機能プロパイロットへの影響 (メーカー注記)
NTV423 / NTV434TV視聴 + ナビ操作OK「プロパイロット…機能は使用できません」と明記
NTV427TV視聴のみ (ナビ操作不可)「プロパイロット装着車」に適合と記載

※上記は私が調査した時点の情報です。必ず最新のメーカー適合表をご確認ください。

この違い、非常に興味深くないですか?

「ナビ操作OK」のNTV423は、やはり車速信号をいじるため、メーカー自ら「プロパイロットは使えません」と断言しています。これは誠実な表記だと思います。

一方、「TV視聴のみ」のNTV427は、「ナビ操作」機能を捨てる代わりに「車速信号」には触らない設計(おそらくパーキングブレーキ信号だけを誤魔化す?)になっていると推測されます。

だから「プロパイロット装着車 適合」と書けるわけですね。

じゃあNTV427なら安心か?というと、話はそう単純でもないようです…(次のセクションで詳しく解説します)。

enlarge corp製品の矛盾

ネット通販などで見かける「enlarge corp」などの、比較的安価な製品についても調べてみました。

ここで、私は大きな「矛盾」に気づきました。

ある製品の気になる記述

  • 「プロパイロット装着車/非装着車 共に対応
  • 「ナビ操作機能ON時、走行中のナビ操作が可能になります」

…ん? おかしくないですか?

データシステム社が「ナビ操作OK(NTV423)」と「プロパイロット対応(NTV427)」を明確に製品で分けているのに、この製品は「ナビ操作OK」と「プロパイロット対応」が両立できると謳っているんです。

技術的な仕組みを考えると、これはかなり無理があるように感じます。
車速信号を偽装する(ナビ操作のため)のに、プロパイロットが正常に動く(車速信号が正常なため)というのは、両立しないはず…。

私個人の感想ですが、こうした技術的に矛盾した説明をしている製品は、信頼性に疑問符がつきます。
安易に「どっちもOK」という言葉を信じるのは、少し怖いかなと思います。

ノートe13テレビキャンセラーとプロパイロットのリスク

プロパイロットの機能不全という、走行安全に関わる直接的なリスクだけでも十分怖いですが、テレビキャンセラーを装着することの代償は、それだけではないようです。
車両の「資産価値」や「信頼性」に関わる、隠れたデメリットについても見ていきましょう。

取り付けによるデメリット

まず、単純に「取り付ける」という行為そのものにリスクがありますよね。

ノートe13のナビ周りは、非常に繊細な電子機器の塊です。パネルを外し、無数のカプラーや配線の間に社外品を割り込ませるわけです。

作業に伴う潜在的リスク

  • 取り付け作業ミスによる内装のキズや破損
  • カプラーの接触不良による、後々の不具合
  • 配線のショートによる電装系トラブル
  • キャンセラー本体の品質不良によるノイズ発生

DIYでやるのはもちろん、プロに頼んだとしても、メーカーが想定していない機器を物理的に割り込ませる以上、リスクはゼロにはならないと思います。

たとえ「プロパイロット対応」を謳うNTV427のような製品でも、この「物理的な取り付けリスク」からは逃れられない、ということですね。

ディーラー保証は受けられる?

ディーラー保証は受けられる?
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これが一番、現実的で大きなデメリットかもしれません。

テレビキャンセラーの装着は、メーカー(日産)から見れば「不正な改造」と見なされる可能性が極めて高いです。

万が一、車に不具合が出たら?

例えば、プロパイロットやナビ、エアコンなどの電装系に何らかの故障が発生したとします。

修理のためにディーラーに持ち込んだ際、キャンセラーの装着が発覚したら…

「お客様による改造が原因の可能性があるため、**新車保証の対象外(有償修理)**となります」

と言われてしまうリスクが非常に高いです。

たとえ故障とキャンセラーの間に直接の因果関係がなくても、「改造」という事実だけで、メーカー保証という強力な盾を失うことになるかもしれません。

また、ディーラーによっては、安全基準に適合しないと判断され、今後の点検や修理の「入庫拒否」をされてしまうケースもあるようです。
これは怖いですね…。

2024年以降のOBD車検

2024年以降のOBD車検
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これはノートe13のような新しい車に乗る私たちにとって、新たに追加された重大なリスクです。(2024年10月から新型車対象に本格導入されました)

「OBD車検」といって、車検の時に車載コンピュータ(OBDポート)にスキャンツールを繋ぎ、エラーコード(DTC)が記録されていないかをチェックするようになりました。

特に、プロパイロットのような「ADAS(先進運転支援システム)」関連のエラーは厳しく見られます。

キャンセラーが原因で車検不合格?

セクション1で解説した「データの不整合」が発生すると、たとえメーターに警告灯が点灯しなくても、ECU内部にはエラーコードがひっそり記録されている可能性が高いです。

車検時にこのエラーコードが検出されると、「ADASシステム異常」と判断され、車検不合格になる可能性があります。

これまでは隠せていた不具合が、OBD車検によって「可視化」されてしまう時代になった、ということですね。

GPS自車位置ズレと燃費異常

プロパイロット以前の問題として、ナビゲーション自体にも不具合が出ることがあります。

特に「ナビ操作対応」タイプは、車速信号を止めてしまうため、ナビが自車位置を見失います。

GPS(衛星)だけで測位していると思われがちですが、ナビは車速信号やステアリングの角度も使って「自律航法(デッドレコニング)」を行っています。
車速信号が止まると、トンネル内や高層ビル街で即座に自車位置がズレて、ナビとして使い物にならなくなるようです。

e-POWER特有の不具合も?

ノートe-POWERの場合、エネルギーモニターの表示(タイヤの回転表示など)や、平均燃費の計算にも車速情報が使われているはずです。

車速信号をいじることで、これらのe-POWER関連の表示や計算が不正確になる可能性も指摘されています。

日産ノートe13テレビキャンセラーとプロパイロットの結論

日産ノートe13テレビキャンセラーとプロパイロットの結論
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ここまで、日産ノートe13のプロパイロット搭載車にテレビキャンセラーを取り付けるリスクについて、私なりに整理してきました。

結論として、私は「装着は極めて非推奨」だと感じました。

Toshiとしての最終的なまとめ

「TV視聴のみ」の製品(NTV427など)は、確かに「ナビ操作OK」の製品よりは、プロパイロットへの直接的な干渉リスクは低い設計になっていると思います。

しかし、それでも、

  • 物理的な取り付けによる電装系トラブルのリスク
  • メーカー保証失効のリスク
  • OBD車検不適合のリスク

といった、重大な「隠れコスト」が残ります。

同乗者の「一時的な利便性」のために、車の「安全システム(プロパイロット)」と「信頼性(保証・車検)」という、根幹部分を危険に晒すのは、あまりにも割に合わないのではないか…というのが私の考えです。

ノートe13の先進技術を100%安全に楽しむためにも、純正の状態を維持するのが一番賢明な選択かもしれませんね。

※本記事は、私が個人的に調査した内容に基づく見解であり、特定の製品の安全性を保証または否定するものではありません。
取り付けや改造に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において、専門家や販売店とよくご相談の上で行ってください。

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