日産ノートの名前の由来は音符と手帳の2つの意味

2025年11月8日

日産ノート、e-POWERの登場以来、本当に大人気ですよね。
あの静かで力強い走りは、コンパクトカーの常識を変えたなと思います。

ところで、皆さんは「日産ノート」の名前の由来ってご存知ですか？
なんで「ノート」っていう名前なんだろうって、ふと疑問に思ったこと、ありませんか？

実は、この「ノート」という名前には、日産が込めた2つの深い意味があるんです。
そして、その由来を知ると、e-POWERという技術がなぜノートに搭載されたのか、その必然性まで見えてくる気がします。

この記事では、日産ノートの名前の由来を中心に、上級モデルのノートオーラや、かつてのカスタムカーであるノートライダーの名前の秘密、さらには競合車のヤリスやフィットとの車名の違いまで、コンパクトカー好きの視点から掘り下げていきますね。

この記事のポイント

日産ノートの車名に込められた2つの「NOTE」の意味
e-POWERが「ノート」の由来をどう完成させたか
「オーラ」や「ライダー」といった関連モデルの命名戦略
競合車（ヤリス・フィット）との車名の違い

日産ノートの名前の由来と2つの意味

まずは、一番気になる「日産ノート名前の由来」の核心から見ていきましょう。
日産の公式な定義と、そこに込められた2つの「NOTE」が持つ世界観を、私なりに読み解いてみました。

「音符」が示すリズミカルな毎日

日産ノートの「ノート」には、まず1つ目、「NOTE（音符）」という意味が込められています。

日産の公式サイトによると、これは「毎日をリズミカルに楽しく」過ごしてほしい、という願いから来ているそうです。
単に「音楽を聴く車」っていう直接的な意味じゃなくて、乗る人の毎日を、音符が奏でるリズムのように楽しく、躍動的なものにしたい、という想いが込められているんですね。

これは、車を単なる移動手段としてじゃなく、ドライバーの気分を上げてくれる「触媒」として捉えている証拠かなと思います。
初代（E11型）が登場した2005年当時に、この「体験」にフォーカスしたネーミングは、結構先進的だったんじゃないでしょうか。

「手帳」に込めたパートナーへの想い

そして2つ目の意味が、私たちにも馴染み深い「NOTE（ノート/手帳）」です。

これは、「音符」が象徴する「リズミカルで楽しい毎日」を、未来の予定や過去の思い出として「記録しておく」ためのパートナーであってほしい、という想いが込められています。

「音符」が“動的”な体験（楽しさ、リズム）を象徴しているのに対して、「手帳」は“静的”な蓄積（思い出、記録、ライフログ）を象徴しているのが面白いですよね。

家族旅行の思い出も、日々の燃費記録も、すべてを書き留めておく人生の手帳のように、ユーザーの人生に寄り添うパートナーでありたい。そんな日産のメッセージを感じます。

ノートの車名の由来：2つの「NOTE」

NOTE（音符）：毎日をリズミカルに楽しく過ごしてほしい（体験）

NOTE（手帳）：その楽しい毎日を記録する人生のパートナー（記憶）

当時のコンパクトカーが「広さ」や「燃費」をアピールする中、ノートは「体験と記憶」という、もっと情緒的な価値を名前に込めたんですね。

e-POWERが体現した「音符」の走り

初代（E11型）が2005年に登場した時、この「音符」と「手帳」という名前は、どちらかというと「こんな車でありたい」という“スローガン”や“約束”に近かったと思うんです。

でも、この車名にとって決定的な転機が訪れます。
それが、2016年の2代目（E12型）に搭載された「e-POWER」の登場です。

e-POWERはご存知の通り、エンジンは発電専用で、100%モーターで走る日産独自の技術ですよね。
このe-POWERの特性が、「ノート」という名前にとんでもない相乗効果をもたらしたんです。

e-POWER最大の特徴は、「レスポンスの良い、なめらかな加速」と「圧倒的な静粛性」です。

これこそが、初代が名前に込めた「リズミカルで楽しい走り（＝音符）」という抽象的なコンセプトを、11年の時を経て技術的に具現化した瞬間だと私は思います。
不要なノイズがなく、心地よいリズムでスーッと加速していく感覚は、まさに「音符」の世界観そのものですよね。

e-POWERで広がる「手帳」の記録

e-POWERが完成させたのは「音符」のコンセプトだけじゃありません。
もう一つの「手帳」のコンセプトも、e-POWERによって強化されたんです。

e-POWERのキャッチコピーは「充電を気にせず、電気自動車の走りを楽しめる」というものでした。
これって、EVの弱点だった航続距離や充電インフラの不安を、発電用エンジンを持つことで解消したわけです。

つまり、ユーザーの行動範囲が飛躍的に広がったことを意味します。

行動範囲が広がり、どこへでも気軽に出かけられるようになれば、当然「記録（＝NOTE）する毎日」はより豊かになりますよね。
e-POWERは、ユーザーの「手帳」に書き込まれる思い出のページを、一気に増やしてくれる技術でもあったわけです。

3代目で確立したノートのブランド価値

そして2020年に登場した現行の3代目（E13型）は、ついに全車e-POWER専用モデルとなりました。

この時点で、「ノート」という名前は、もはや「音符」や「手帳」という初期の由来を意識されなくても、「e-POWERによる先進的で滑らかな電動体験」そのものを指すブランドになったと私は感じています。

「ノートに乗りたい」イコール「あのe-POWERの走りが欲しい」というふうに、コンセプト（車名）と技術（e-POWER）が完全に一体化した、稀有な成功例じゃないかなと思いますね。

日産ノートの名前の由来と関連モデル

「日産ノート名前の由来」を深掘りすると、e-POWERや「オーラ」「ライダー」といった関連する名前の秘密も見えてきます。
ここでは、ノートを取り巻く魅力的なネーミング戦略と、ライバル車との違いを見ていきましょう。

e-POWERのeとPOWERが示す違い

ノートを語る上で欠かせない「e-POWER」。
この名前の由来も気になりますよね。

まず「e」ですが、これは日産のグローバルサイトなどを見ると “Electric”（電気） や “Electrification”（電動化） を指していることがわかります。
日産リーフ（EV）の系譜に連なる技術だぞ、というアピールですね。

じゃあ、なぜ「e-HYBRID」ではなく「e-POWER」なんでしょうか？

それは、従来のハイブリッド（エンジンがタイヤを駆動する瞬間がある）との明確な違いを示すためです。
e-POWERは、エンジンは発電専用で、タイヤを駆動する「POWER（＝駆動力）」は100%「e（＝Electric、電気モーター）」が生み出します。

「これはハイブリッドじゃない、EVの仲間なんだ」という日産の強いメッセージが、「e-POWER」という戦略的な名前に込められているんですね。

豆知識：e-POWERは「シリーズハイブリッド」

e-POWERの仕組み（エンジンは発電、モーターで駆動）は、専門用語では「シリーズハイブリッド方式」と呼ばれます。
対して、プリウスなどに使われるエンジンとモーター両方で駆動する方式は「パラレル方式」や「スプリット方式」と呼ばれます。

日産はあえて「ハイブリッド」と呼ばず、「e-POWER」という独自の名称を使うことで、その独自性を際立たせているんですね。

AURAが持つ意味

ノートの上級モデルとして人気の「ノートオーラ」。この「オーラ（AURA）」の由来も、もちろん「ノート」と関係しています。

日産の公式発表によれば、「オーラ」はそのまま「独特な雰囲気」や「気品」を意味する言葉から来ています。
「所有する人に悦びを提供する唯一無二の存在」という想いが込められているそうです。

ここで注目したいのが、なぜ「オーラ」という単独の車種名にしなかったのか、という点です。

これは日産の巧みなブランド戦略で、

「ノート」という名前： e-POWERの先進性や信頼性という「基盤」の価値を提供。
「オーラ」という名前：その基盤の上に「気品」や「所有する悦び」という「付加価値」を提供。

いきなり「オーラ」という新車種を出すより、「ノートオーラ」とするほうが、「ノートの、あの良い走り（e-POWER）の上級版なんだな」と、一瞬で価値が伝わりますよね。これは見事なネーミングだと思います。

ノートライダーの歴史と由来

「ノートライダー」というキーワードもよく検索されていますが、これは「オーラ」のような上級グレードとは少し概念が異なります。

「ライダー（Rider）」とは、日産の関連会社である「オーテックジャパン（AUTECH）」が手掛けてきたカスタムカーの「シリーズブランド名」です。ノート専用の名前ではないんですね。

1998年のキューブライダーから始まり、セレナやエルグランドなど多くの車種に設定されていました。
最大の特徴は、あの細いメッキの横バーを多用した「ビレット風グリル」です。

「ライダー」という名前の直接的な由来は明記されていませんが、オーテックの「プレミアムスポーティ」というコンセプトから推測すると、「レーサー（Driver）」ではなく、公道を「スタイリッシュに乗りこなす人（Rider）」というライフスタイルを象徴したネーミングかな、と私は思っています。

「ライダー」シリーズは、その「プレミアムスポーティ」の精神を「AUTECH」ブランド（例：ノート AUTECH）に引き継ぐ形で、近年は生産を終了しています。あの独特のグリル、好きだったんですけどね。

ヤリスやフィットとの車名の違いを比較

「ノート」の車名の由来が「体験と記憶」に焦点を当てていることが分かりましたが、これ、ライバルのコンパクトカーと比較すると、その違いが際立って面白いんです。

車種名	メーカー	車名の由来（概要）	ネーミングのタイプ
ノート (NOTE)	日産	「音符（体験）」と「手帳（記憶）」のダブルミーニング	体験・情緒型
ヤリス (YARIS)	トヨタ	ギリシャ神話の女神「カリス」と音「Ya」の造語	感覚・イメージ型
フィット (FIT)	ホンダ	「みんなの生活に『ぴったりフィットする』」	機能・実用型